万葉の故地を写真で巡る 万葉の風景

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古代歌謡
会津八一の歌
 


柿本人麻呂

歌聖と称えられる白鳳期を代表する宮廷歌人。宮廷の儀礼用に壮大な長歌形式による寿歌や挽歌を作っただけでなく、私小説風の相聞歌、挽歌、旅の歌にも優れていた。万葉集に人麻呂は、地方官吏として石見国に赴任して、その地で没したとする記述があるが、人麻呂は石見で刑死したという異説が発表されて話題になった。

場所 写真
01-0029 玉たすき 畝傍の山の 橿原の ひじりの 御代ゆ 生れましし 神のことごと 栂の木の いや継ぎ継ぎに 天の下 知らしめししを そらにみつ 大和を置きて あをによし 奈良山を越え  いかさまに 思ほしめせか 天離る 鄙にはあれど 石走る 近江の国の 楽浪の 大津の宮に 天の下 知らしめしけむ 天皇の 神の命の 大宮は ここと聞けども 大殿は ここと言へども 春草の 茂く生ひたる 霞立つ 春日の霧れる ももしきの 大宮ところ 見れば悲しも 柿本人麻呂 近江古京
(弘文天皇陵)
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01-0030 楽浪(ささなみ)の 志賀の辛崎 幸くあれど 大宮人の舟 待ちかねつ 柿本人麻呂 近江古京
(唐崎)
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01-0031 楽浪の 志賀の大わだ 淀むとも 昔の人に またも逢はめやも 柿本人麻呂 近江古京
(唐崎)
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01-0040 嗚呼見(あみ)の浦に 舟乗りすらむ 娘子らが 玉藻の裾に 潮満つらむか 柿本人麻呂 小浜 UP
01-0041 釧(くしろ)つく 手節(たふし)の崎に 今日もかも 大宮人の 玉藻刈るらむ           柿本人麻呂 答志島
01-0042 潮騒に 伊良虞の島辺 漕ぐ舟に 妹乗るらむか 荒き島廻を 柿本人麻呂 伊良湖
01-0046 安騎の野に 宿る旅人 うち靡き  寐も寝らめやも いにしへ思ふに 柿本人麻呂 安騎野
01-0048 東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ 柿本人麻呂 安騎野
02-0131 石見の海 角の浦廻を 浦なしと 人こそ見らめ 潟なしと 人こそ見らめ よしゑやし 浦はなくとも よしゑやし 潟はなくとも 鯨魚取り 海辺を指して 柔田津の 荒礒の上に か青なる 玉藻沖つ藻 朝羽振る 風こそ寄せめ 夕羽振る 波こそ来寄れ 波のむた か寄りかく寄り 玉藻なす 寄り寝し妹を 露霜の 置きてし来れば この道の 八十隈ごとに 万たび かへり見すれど いや遠に 里は離りぬ いや高に 山も越え来ぬ 夏草の 思ひ萎へて 偲ふらむ 妹が門見む 靡けこの山 柿本人麻呂 石見
02-0132 石見のや 高角山の 木の間より 我が振る袖を 妹見つらむか 柿本人麻呂 石見
02-0133 笹の葉は み山もさやに さやげども 我れは妹思ふ 別れ来ぬれば 柿本人麻呂 石見
02-0140 な思ひと 君は言へども 逢はむ時 いつと知りてか 我が恋ひずあらむ 依羅娘子 石見
02-0169 あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠(かく)らく惜(を)しも 柿本人麻呂 金環日食 UP
02-0199 かけまくも ゆゆしきかも 言はまくも あやに畏き 明日香の 真神の原に ひさかたの 天つ御門を 畏くも 定めたまひて 神さぶと 磐隠ります やすみしし 我が大君の きこしめす 背面(そとも)の国の 真木立つ 不破山超えて 高麗剣 和射見が原の 仮宮に 天降りいまして 天の下 治めたまひ 食(を)す国を 定めたまふと 鶏が鳴く 東の国の 御いくさを 召したまひて ちはやぶる 人を和せと 奉ろはぬ 国を治めと 皇子ながら 任したまへば 大御身に 大刀取り佩かし 大御手に 弓取り持たし 御軍士を 率ひたまひ 整ふる 鼓の音は 雷の 声と聞くまで 吹き鳴せる 小角の音も 敵見たる 虎か吼ゆると 諸人の おびゆるまでに ささげたる 幡の靡きは 冬こもり 春さり来れば 野ごとに つきてある火の 風の共 靡くがごとく 取り持てる 弓弭の騒き み雪降る 冬の林に つむじかも い巻き渡ると 思ふまで 聞きの畏く 引き放つ 矢の繁けく 大雪の 乱れて来れ まつろはず 立ち向ひしも 露霜の 消なば消ぬべく 行く鳥の 争ふはしに 渡会の 斎きの宮ゆ 神風に い吹き惑はし 天雲を 日の目も見せず 常闇に 覆ひ賜ひて 定めてし 瑞穂の国を 神ながら 太敷きまして やすみしし 我が大君の 天の下 申したまへば 万代に しかしもあらむと 木綿花の 栄ゆる時に 我が大君 皇子の御門を 神宮に 装ひまつりて 使はしし 御門の人も 白栲の 麻衣着て 埴安の 御門の原に あかねさす 日のことごと 獣じもの い匍ひ伏しつつ ぬばたまの 夕になれば 大殿を 振り放け見つつ 鶉なす い匍ひ廻り 侍へど 侍ひえねば 春鳥の さまよひぬれば 嘆きも いまだ過ぎぬに 思ひも いまだ尽きねば 言さへく 百済の原ゆ 神葬り 葬りいまして あさもよし 城上の宮を 常宮と 高く奉りて 神ながら 鎮まりましぬ しかれども 我が大君の 万代と 思ほしめして 作らしし 香具山の宮 万代に 過ぎむと思へや 天のごと 振り放け見つつ 玉たすき 懸けて偲はむ 畏かれども 柿本人麻呂 瀬田の唐橋 UP
02-0201 ひさかたの 天知らしぬる 君故に 日月も知らず 恋ひわたるかも 柿本人麻呂 高市皇子
02-0201 埴安(はにやす)の 池の堤(つつみ)の 隠り沼(こもりぬ)の ゆくへを知らに 舎人は惑ふ 柿本人麻呂 埴安池跡 UP
02-0207 天飛ぶや 軽の道は 我妹子が 里にしあれば ねもころに 見まく欲しけど やまず行かば 人目を多み 数多く行かば 人知りぬべみ さね葛 後も逢はむと 大船の 思ひ頼みて 玉かぎる 岩垣淵の 隠りのみ 恋ひつつあるに 渡る日の 暮れぬるがごと 照る月の 雲隠るごと 沖つ藻の 靡きし妹は 黄葉の 過ぎて去にきと 玉梓の 使の言へば 梓弓 音に聞きて 言はむすべ 為むすべ知らに 音のみを 聞きてありえねば 我が恋ふる 千重の一重も 慰もる 心もありやと 我妹子が やまず出で見し 軽の市に 我が立ち聞けば 玉たすき 畝傍の山に 鳴く鳥の 声も聞こえず 玉桙の 道行く人も ひとりだに 似てし行かねば すべをなみ妹が名呼びて 袖ぞ振りつる 柿本人麻呂 UP
02-0208 秋山の 黄葉を茂み 惑ひぬる 妹を求めむ 山道知らずも 柿本人麻呂
02-0209 黄葉の 散りゆくなへに 玉梓の 使を見れば 逢ひし日思ほゆ 柿本人麻呂
02-0210 うつせみと 思ひし時に 取り持ちて 我がふたり見し 走出の 堤に立てる 槻の木の こちごちの枝の 春の葉の 茂きがごとく 思へりし 妹にはあれど 頼めりし 子らにはあれど 世間を 背きしえねば かぎるひの 燃ゆる荒野に 白栲の 天領巾隠り 鳥じもの 朝立ちいまして 入日なす 隠りにしかば 我妹子が 形見に置ける みどり子の 乞ひ泣くごとに 取り与ふ 物しなければ 男じもの 脇ばさみ持ち 我妹子と ふたり我が寝し 枕付く 妻屋のうちに 昼はも うらさび暮らし 夜はも 息づき明かし 嘆けども 為むすべ知らに 恋ふれども 逢ふよしをなみ 大鳥の 羽がひの山に 我が恋ふる 妹はいますと 人の言へば 岩根さくみて なづみ来し よけくもぞなき うつせみと 思ひし妹が 玉かぎる ほのかにだにも 見えなく思へば 柿本人麻呂 天理衾田
02-0211 去年見てし 秋の月夜は 照らせれど 相見し妹は いや年離る 柿本人麻呂 天理衾田
02-0212 衾道を 引手の山に 妹を置きて 山道を行けば 生けりともなし 柿本人麻呂 天理衾田
02-0220 玉藻よし 讃岐の国は 国からか 見れども飽かぬ 神からか ここだ貴き 天地 日月とともに 足り行かむ 神の御面と 継ぎ来る 那珂の港ゆ 船浮けて 我が漕ぎ来れば 時つ風 雲居に吹くに 沖見れば とゐ波立ち 辺見れば 白波騒く 鯨魚取り 海を畏み 行く船の 梶引き折りて をちこちの 島は多けど 名ぐはし 狭岑の島の 荒磯面に 廬りて見れば 波の音の 繁き浜辺を 敷栲の 枕になして 荒床に ころ臥す君が 家知らば 行きても告げむ 妻知らば 来も問はましを 玉桙の 道だに知らず おほほしく 待ちか恋ふらむ はしき妻らは 柿本人麻呂 讃岐狭岑島
02-0221 妻もあらば 摘みて食げまし 沙弥の山 野の上のうはぎ 過ぎにけらずや 柿本人麻呂 讃岐狭岑島
02-0222 沖つ波 来寄る荒礒(ありそ)を 敷栲(しきたへ)の 枕とまきて 寝せる君かも 柿本人麻呂 讃岐狭岑島
02-0223 鴨山の 岩根しまける 我れをかも 知らにと妹が 待ちつつあるらむ 柿本人麻呂 石見
02-0224 今日今日と 我が待つ君は 石川の峽に 交りて ありといはずやも 依羅娘子 石見
02-0225 直の逢ひは 逢ひかつましじ 石川に 雲立ち渡れ 見つつ偲はむ 依羅娘子 石見
02-0226 荒波に 寄り来る玉を 枕に置き 我れここにありと 誰れか告げなむ 丹比眞人 石見
03-0235 大君は 神にしませば 天雲の 雷の上に 廬りせるかも 柿本人麻呂 明日香
/雷丘
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03-0251 淡路の 野島が崎の 浜風に 妹が結びし 紐吹き返す 柿本人麻呂 淡路野島
03-0254 ともしびの 明石大門に 入らむ日や 漕ぎ別れなむ 家のあたり見ず 柿本人麻呂 明石海峡
03-0264 もののふの 八十宇治川の 網代木に いさよふ波の ゆくへ知らずも 柿本人麻呂 宇治川 UP
03-0266 淡海の海 夕波千鳥 汝(な)が鳴けば 心もしのに いにしへ思ほゆ 柿本人麻呂 近江古京
03-0304 大君の 遠の朝廷と あり通ふ 島門を見れば 神代し思ほゆ 柿本人麻呂 大三島辺り
03-0426 草枕 旅の宿りに 誰が嬬か 国忘れたる 家待たまくに 柿本人麻呂 天香具山 UP
07-1100 巻向の 穴師の川ゆ 行く水の 絶ゆることなく またかへり見む 柿本人麻呂 巻向川 UP
07-1273 住吉の 波豆麻の君が 馬乗衣 さひづらふ漢女を 据ゑて縫へる衣ぞ 柿本人麻呂歌集 住吉
07-1274 住吉の 出見の浜の 柴な刈りそね 娘子らが 赤裳の 裾の濡れて 行かむ見む 柿本人麻呂歌集 住吉
(出見の浜)
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09-1707 山背の 久世の鷺坂 神代より 春は張りつつ 秋は散りけり 柿本人麻呂歌集 鷺坂 UP
09-1796 黄葉の 過ぎにし子らと 携はり 遊びし礒を 見れば悲しも 柿本人麻呂 和歌浦
09-1797 潮気立つ 荒礒にはあれど 行く水の 過ぎにし妹が 形見とぞ来し 柿本人麻呂 和歌浦
09-1798 いにしへに 妹と我が見し ぬばたまの 黒牛潟(くろうしがた)を見れば 寂しも 柿本人麻呂 海南市
黒江海岸
09-1799 玉津島 礒の浦廻の 真砂にも にほひて行かな 妹も触れけむ 柿本人麻呂 和歌浦
11-2362 山背の 久背の若子が 欲しと言ふ我れ あふさわに 我れを欲しと言ふ 山背の久世 柿本人麻呂歌集 久世 UP
11-2453 春柳 葛城山に 立つ雲の 立ちても居ても 妹をしぞ思ふ 柿本人麻呂 葛城山 UP
13-3253 葦原の 瑞穂の国は 神ながら 言挙げせぬ国 しかれども 言挙げぞ我がする 言幸く ま幸くませと 障みなく 幸くいまさば 荒礒波 ありても見むと 百重波 千重波しきに 言挙げす我れは 柿本人麻呂 -
13-3254 磯城島の 大和の国は 言霊の 助くる国ぞ ま幸くありこそ 柿本人麻呂 -


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万葉集の風景 "View of Manyou" HP開設: 2008/5/1 頁更新: 2012/6/24 Copyright(C) 2008 Kosharaku All Rights Reserved

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