万葉の故地を写真で巡る 万葉の風景


04-0675 おみなえし 佐紀沢に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも 中臣郎女 水上池




写真: 水上池の夕景
Feb. 10 2000
Manual_Focus Lens50mm
RVP SL

大伴家持を慕う恋の歌。「・・花かつみ」までは「かつて」にかかる序であり、「をみなえし」は咲き(=佐紀)を導いている。したがって、歌の骨格は「かつても知らぬ 恋をするかも」だけということになり、意味は「かつて経験したことのない恋にあこがれています」というもの。様々な比喩や暗喩が重ねられた技巧的な歌。なお、「花かつみ」は、あやめあるいはまこもとされている。

平城宮跡で最も昔の雰囲気を残しているのは、この水上池のあたりです。天平時代には、平城宮の後背地のこのあたりから佐紀丘陵にかけて、大規模な離宮が営まれていたようです。なお、大伴家持の邸宅は、一条大路沿いの佐保川の北側にあったとされており、ここからはそれほど遠くありません。今も残る一条大路を通って、東大寺の転害門までの一本道は、大伴家持との恋愛で有名な笠女郎や和歌の手ほどきをしたという坂上郎女の旧跡があって"女みち"と呼ばれています。奈良散策の最適地といえます。最近はバードウォッチングのポイントとしても有名です。
(記: 2008年5月1日)



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万葉集の風景 "View of Manyou" HP開設: 2008/5/1 頁アップ: 2008/5/1 Copyright(C) 2008 Kosharaku All Right Reserved

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