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橘の 下照る庭に 殿建てて 酒みづきいます 我が大君かも |
河内女王 |
井手の里 |
写真: 、京都井手の里、橘諸兄邸跡の辺り
June. 22 2008
Manual_Focus, Lens75mm, Format645
RVP100 |
京都府井手の里にあった奈良中期の大政治家橘諸兄の邸宅邸に元正天皇らが行幸したときの宴会で、河内女王が詠った歌。"橘の美しい色が映える庭に立派な御殿を建てて、酒をひたっておいでになるわが大君でいらっしゃることでありますことよ"という意味。御殿を建てたのは橘諸兄だが酒に浸っている大君は元正天皇のことで、主語が途中で入れ替わっている。
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橘諸兄は、井手の里に壮麗な邸宅と寺院を構えて、山吹をたくさん植えました。爾来井手は山吹の里と呼ばれ、中世にはたくさんの和歌に詠まれました。また、扇状地を流れる井手の玉川は、日本六玉川のひとつとされ、大昔には玉が産出したようです。ただし、今は邸宅や寺院は跡形もなく、玉川もコンクリート護岸で固められてしまって、見るも無残な有様です。邸宅跡に広がる田圃とホトトギスの声がただただ美しいばかりでした。 |
(記: 2008年7月1日) |
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