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足の音せず 行かむ駒もが 葛飾の 真間の継橋 止まず通はむ |
東歌
作者不詳 |
真間の継橋 |
写真: 千葉県市川市真間
真間の継橋
Jul. 16 2009
Manual focus, Lens28mm, Format35mm
RDPV |
真間の手児名(ままのてこな)伝説を詠った東歌4首のうちのひとつ。"足の音がしない馬があったらよいのに。葛飾の真間の継橋をそのまま馬でずっと通うことが出来るのに。"
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真間の手児名に関する歌は、中央官僚であった山部赤人の431、432、433番歌と常陸の地方官吏であった高橋虫麻呂の1807、1808番歌が有名で、加えて下総の国歌(東歌)の4首があります。この歌はそのひとつで、真間の手児名のもとに通う男の心を詠っています。
継橋は、板を継いで渡した橋のことで、馬で渡ると大きい音がしたはずです。作者は、音がしない馬があったら、継橋をわたっても他人に知られることはないのにと口惜しがっているのです。馬は貴重なものでしたから、馬の主は、下総国府の国造、郡司、あるいは有力者であったろうと推測できます。
妻問婚の時代にあって、男は女のもとに夜通わねばなリませんでしたが、周りのものに知られないようにこっそり通うものとされていました。
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(記: 2009年8月1日) |
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