万葉の故地を写真で巡る 万葉の風景


08-1472 霍公鳥(ほととぎす) 来鳴き響(とよ)もす 卯の花の 伴にや来しと 問はましものを 石上堅魚 卯の花





写真: 卯の花、高山にて
June 7 2008
Manual_Focus, Micro Lens100mm, Format645
RVP100

太宰師の大伴旅人の妻の大伴郎女が亡くなったときに、その喪を弔らうために朝廷から派遣された勅使石上堅魚朝臣(いそのかみのかつおのあそん)が詠った歌。盛んに鳴いているホトトギス(旅人)は、卯の花(郎女)の連れ合いとしてきたのかと思ったという意味。大伴旅人と大伴郎女は仲の良い夫婦であった。

水墨画のような梅雨の霞んだ景色の中、野山に咲く卯の花が彩りを添えてくれます。地味ですが、純白の花房が実って、大変高貴な感じがする花です。ただ、俳句に「卯の花腐し(うのはなくだし)」という季語があるくらいで、2-3日もすると茶色に変色して朽ちてしまいます。淡く、儚いものの象徴のような花です。
(記: 2008年6月14日)



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万葉集の風景 "View of Manyou" HP開設: 2008/5/1 頁アップ: 2008/6/14 Copyright(C) 2008 Kosharaku All Rights Reserved

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