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住吉の 粉浜のしじみ 開けもみず 隠りてのみや 恋ひわたりなむ |
作者未詳 |
住吉大社
(粉浜) |
写真: 住吉大社の反り橋
Jan. 3 2009
Auto focus, Lens28-70mm
RDPV |
「住之江の粉浜のしじみが殻を閉じてあけようとしないように、このまま相手の気持ちを確かめないまま、心の中だけで恋しく思い続けていくのであろうか。」という意味。作者不詳。
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大昔、住吉大社は住之江という港の辺にあり、摂津・河内の要衝の地でした。現在、海岸線ははるか西方に後退してしまっていますが、神社正面入り口に反り橋がかかる蓮池は、かつては入江の一部だったとされています。反り橋を渡ったところはすでに浜辺で、南海住吉大社駅から粉浜駅に連なる現在の粉浜商店街あたりが、この歌の粉浜にあたるようです。しじみは、海水と真水の入り混じる汽水域に棲む貝なので、おそらく粉浜は浜辺に連なる砂州の裏手側にあたり、住之江につながる潟(ラグーン)に面していたのではないでしょうか。もしかしたら、この蓮池の先がもう少し北までのびていたのかもしれません。天橋立のような風景が想像できるのですが、さて?
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(記: 2009年2月7日) |
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