万葉の故地を写真で巡る 万葉の風景


05-0822 我が園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れ来るかも 大伴旅人




写真: 大和文華館の散り梅
Feb. 28 2008
Manual_Focus, Lens50mm, Format645
RVP100

序文に、天平2年正月13日に大宰府の長官であった大伴旅人の邸宅で開かれた宴会で、落梅を詠むとある。意味は「我家の庭に梅の花が散っている。まるで、久しぶりに大空から雪が流れ込んできたようだ。」というもの。

一面に広がる落梅の花弁を雪に見立てる趣向は、中国の漢詩の影響を受けたもの。この梅花を詠むと題する歌は32首が万葉集に採られていますが、非常に形式的な感じがします。万葉集に出てくる花の第二位は梅(第一位は萩)ですが、中国から舶載された梅の木は、当時相当な貴重品であったので、王宮か貴族の庭園でしか見ることが出来なかったはずです。なお、大伴旅人は大変梅の花が好きだったようで、自慢の奈良の佐保の邸宅に梅の花を植えていて、大宰府から帰ったときに亡き妻の植えた梅を見て、次のような歌を詠んでいます。
吾妹子が 植ゑし梅の樹 見る毎に こころ咽せつつ 涕し流る (03-0453)
(記: 2008年8月9日)



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万葉集の風景 "View of Manyou" HP開設: 2008/5/1 頁アップ: 2008/8/9 Copyright(C) 2008 Kosharaku All Rights Reserved

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