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娘子らが 袖布留山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひき我れは |
柿本人麻呂 |
布留 |
写真: 石上神社の瑞垣
June 7 2008
Manual_Focus Lens75mm, Format
RVP100 |
娘子らが袖振るの"フル(振る)"と地名の"フル(布留)"が掛かっていてる。また、瑞垣とは布留の社(石上神社)の神域を囲う垣のことで、古くからあるものの象徴であり、これも"フル(古)"にかかっている。フル(古)から、"久しい"が導かれており、二重三重に序言葉が折り重なっている。歌の意味は、序言葉を取り除くと、「久しい前からあなたを思っていました」というだけになる。
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現代では、"あなたは薔薇の花のように美しい"と女性を口説きますが、古代には、このような言葉で着飾って女性を口説いたようです。万葉集は、まるで"口説き文句集"のようで、無数の相聞歌はすべてこのように大げさです。ただ女性が褒められるとうれしいのは、今も昔もあまり変わらないようですね。なお、瑞垣は、古代には木製の垣であったようで、江戸時代に現代のように石製に替えられて、その周りには回廊が廻らされてしまいました。石の瑞垣には、"布留社"の文字が見えます。 |
(記: 2008年6月14日) |
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