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夢にだに 見ずありしものを おほほしく 宮出もするか さ桧の隈廻を |
草壁皇子の舎人 |
檜前の里 |
写真: 檜前の里、於美阿志神社の森
Oct. 5 2008
Manual_Focus, Lens75mm, Format67
RVP100 |
草壁皇子がなくなったときに、皇子の宮殿"島の宮"に従事する舎人が悲しんで詠んだ23首のひとつ。「夢にさえ見なかったのに、思いもかけず喪宮の真弓の岡に出仕するために、檜前の曲がりくねった道を行くことだ」という意味。
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草壁皇子のあった島の庄は、飛鳥の石舞台古墳辺り。それに対して、皇子の喪宮が行われた真弓岡は近鉄飛鳥駅の西側の丘陵地帯にあって、この檜前(ひのくま)はその中間地帯に当たります。渡来人が多く住んだところで、写真の於美阿志神社の森は、朝鮮式の特異な寺院配置の檜隈寺があったところです。高松塚の飛鳥美人のようないでたちの人々が、かつてこの辺りを闊歩していたのではないでしょうか。飛鳥の多くが整備されて公園化してしまった中、唯一かつての飛鳥の田園風景が偲ばれるところです。
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(記: 2008年11月1日) |
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